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若干R15だと思います。
カカシがサクラ愛しすぎて狂ってます

酷く滑稽な同情。うすっぺらい嘘を重ねて、裏切られ、それでも憎めないこの男は今日もまた嘘を重ねた。この人の指はいつも震えるように肌を滑る。その存在を確かめるかのように何度も何度も。この男によって教えられた欲情の仕方はまた今日もサクラを蝕んで。半ば強引に犯されたとても、行為の最中に囁かれる愛してるという台詞だけが、サクラをこの男の元から逃れさせない唯一の理由だった。我ながら馬鹿げていると思う。そんな台詞嘘に決まっているのに。それでもたまにどうしようもなく泣きそうな顔でその言葉を囁くものだから、錯覚に陥られずにはいられない。
カカシに抱かれながらサクラはいつも叶わぬ夢を見る。あの人が私を攫いに来てくれる夢。独りじゃ逃れられないこと男の呪縛から、どうか救いだして。
カカシの要求は徐々にエスカレートしていった。
今までは流石に任務中に求められたことは無かったのに。
夜の帳が降りきった深夜。
闇夜の中でサクラの腕を捉えたカカシは森の茂みに彼女を引きずった。誰も気付かない。気付かれないような配慮をこの人は怠らない。
抵抗する間もなく、サクラの服などいとも簡単に脱がされる。
夜露に濡れた草の上に身体は押し倒された。
白い肌に熱が落とされる。言葉巧みにサクラの羞恥心を誘い出して、真っ赤に染めあがった彼女の首筋にカカシは一つ徴を残した。彼女の弱いところを余すことなく攻め上げて、己の欲望を突きつける。いくら肌を重ねたところで、サクラが自分のものにならないことは、カカシが一番よく知っていた。彼女を強引に抱けば抱くほどその現実は露わになる。
だから一つ宣戦布告した。行為が終わるとサクラはいつも目を伏せた。泣いていることは予想がついた。カカシはそんな彼女に服を着せてやり、一足早く小屋へ返した。
重い足取りで小屋へ戻ったサクラは熱の引かない己を肩を抱き締める。穢れ、堕ちていくことしかできない身体。汚くては汚くては大嫌いだ。洗い流したい、一刻も早く。

「どうかしたのか」

サクラの身体がビクッと跳ねたのは無意識。掛けられたらその声の残酷さがサクラの心臓を鷲掴みにした。

「あー…ごめん、起こしちゃった?」

顔は到底上げられない。泣いていることはサスケに悟られたくない。

「ちょっと寝れなくて、ごめんね」

後半の謝罪は、自分を咎める為のもの。
あなたを好きでいながら、あなた以外の人に抱かれてごめんなさい。
この穢れた心であなたを愛してしまいごめんなさい。

声だけは明るく努めて、目の前に立ちはだかったサスケの横をサクラは抜けた。



「――…カカシもいないみたいなんだが」




サスケの声は鋭く。サクラを振り返る素振りも見せず言葉だけで彼女に問うた。空気が動揺したことなど、手に取るようにわかる。

「…さぁ、どこ言ったんだろうね」

どこか上の空で呟いたサクラは、次のサスケの台詞を許さないくらいの早さで、おやすみと言って自室に消えた。
サスケの胸中にかつてない憤りが湧き上がる。
サクラから香った男の匂い。そして首筋に浮かんだ紅い徴。
挑発していやがる。
紛れもない、あいつからの。
拳を握りしめて佇んだサスケの目に、その男の姿が見えた。
目がちかちかするほどの怒りはサスケに判断を鈍らせる。気がつけばそいつの胸倉を掴みかかっていた。

「サクラに何をした!」

鋭いサスケの眼差しに怯むことなく、カカシは真正面から視線を切り結んだ。
そうして言い放つ。

「何って、何だろうね。お前が想像しているとおりのことだよ」

嘲笑う口調、酷く冷酷な目。サスケは気付けば拳を振るっていた。しかし、そいつはカカシに落ちることなく、いとも簡単に封じ込められる。

「お前に怒る資格なんてないよ」

背筋が凍るほど冷たい言葉だった。

「サクラの気持ち、知ってるくせに、今までくすぶらせてきたお前の罪だ」

カカシは胸倉を掴むサスケの手を乱暴に振り解いた。
自分の中に流れる貪欲な血はもはやどうすることもできない。サクラが決して手に入れることが出来ないと悟った瞬間から、ずっと。

「お前なんかにサクラは渡さない」

例え彼女が泣いても叫んでも。サクラの初めてを奪ったのは俺だ。
絞り出すような声は、祈りに近かった。

「――…上等じゃねぇか」

何処か笑い出しそうにサスケは言った。

「そっくりそのままあんたに返してやるよ」

カカシが言ったことに間違いはない。
ずっと自惚れていたのだ。サクラは一生自分から離れていかないと。
浅ましかった。
もっと早く気づけていたと心の底から思う。

「サクラをもう二度とあんたに触れさせやしない」

サスケの真剣すぎる目が気に入らなかった。
そう言い放ちサスケは小屋に戻った。残されたカカシは頭をかきむしる。サクラを知ってしまった身体はもう彼女なしでは生きられない。壊すことになっても、奪われるわけにはいかない。
ほら、だからいつも言ったんだ。
そんなに泣くんなら俺にしとけばいいのに。
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